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「女性じゃなかったから、雪女じゃなくて、雪男かな」
恋人の部屋で僕は話した。
ずっと言わないでいたのに、大学生になって恋愛が順調で浮かれて。
相手の女性の真奈(まな)は、僕の住んでいた村の、隣りの村の出身だ。
山を挟んで反対側の村の相手と、上京して出会えて意気投合した。
「言うなって言われた話し、しちゃう?」
花柄のコタツを引き寄せた真奈が呆れた顔になった。
「いやいや、話しちゃうものでしょ。で、オチはこうなる?
私がその雪男です」
「違うけど、近い」
真奈がコタツから立ち上がり、台所へ向かっていった。
そして包丁を手に握っていた。
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