紅葉に狩られる

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都会の喧騒から離れたくなった僕は、電車に乗り込み適当な駅で降りた。 そうして見知らぬ山へと登っていく。 酷かった猛暑もようやく終わり、秋が来ようとしている。 とはいえ、まだ蒸し暑く、汗をかいた。 「こんなところへ、どうして?」 ふと声をかけられた。 薄緑のワンピースを来た女の子だった。 「こんなところ?」 「この近くに住んでる人は来ないわよ、怖くて」 「怖い?」 「そうよ、だって秋が来るんだもん」 女の子が長い黒髪を揺らして、はしゃぐように舞った。
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