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「さあ、探してこい」
石本が再度、田代と森田に命令した。2人とも仕方なさそうに動き出す。
だが、その時――。
ドガァッ!
衝撃音がして、小屋が大きく揺れた。
「地震か?」
慌てる飯田。困惑する石本。その横で、他の2人がオロオロとしている。
ドガァッ!
別の方から衝撃が来て、またしても大きく揺れる小屋。そして……。
バキバキッ!
3度目の衝撃で、南側の壁を突き破り何かが部屋へ飛び込んでくる。
黄金色で巨大な生き物が、半分ほど体を見せた。口元から伸びる牙が田代の胴を刺し貫く。
「ぎゃあぁぁー!」
叫ぶ田代の声が、次第に小さくなっていく。
生き物は彼の体を牙に刺したまま、外へと戻っていった。
全員無言で硬直する。
ドサッ!
何かが落下する音がした。あけられた壁の穴から恐る恐る見ると、田代の残骸が地に落ちている。
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