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手っ取り早くバイトを辞めてしまえば、あのガイジンとの関係は切れるんじゃないか。
ハッと気付いた、バイト帰り。
で。
「店長、俺、今月で辞めようと思うんです」
「え? 何言ってんの。そんなの駄目だよ」
店長、困惑の表情で、
「あと三ヶ月は辞めないで。お願い」
「……」
簡単に丸め込まれた。
で。
今日も彼に見下ろされてたじろいでいる。
「明日の火曜日は暇ですか?」
「サークルです」
「サークル? それ何? では、水曜日は?」
「ご注文は」
「君」
「ふざけんな」
「はっはっは。怒ってますね。面白い」
「笑ってんじゃねえよ」
彼の方に遠慮が無い事から、扱いが雑にならざる得なかったのだ。
後で店長に呼ばれて、
「あれは良くない。もう少し言い方ってものがあるでしょ。あの人は君がいない時もよくいらっしゃってる、お得意様です」
叱られた。
「………」
もしかして店長、グルなのかな。
だってどうやって拒否したらいいのか分からないんだ。
彼を傷付けてしまうかもしれないけれど、逃げなくちゃいけないんだよ、こっちは。そうしないと捕まっちゃうだろ。
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