私らしい幸せ

2/5
前へ
/5ページ
次へ
「すみません、大原康太(こうた)の姉です」  高校から徒歩20分の距離にある小学校に、発熱した弟を迎えに来た。 「少し様子を見たんだけど、まだ上がりそうなのよ」 「このまま病院に連れて行きます」 「よろしくね。お大事に」  ぽやっとした康太のランドセルを肩にかけ手を繋ぐ。 「歩けそう?」 「…うん」  しんどいはずなのに、康太は私を見上げて笑ってみせる。良いのにな…そんなに無理しなくても。  康太の熱は2日続き、結局私は3日間学校を欠席した。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加