「またいつか」のその日まで

「えー、長い間ご愛顧頂いた当番組『セーブデータの深夜公園』ですが、
　今月をもって終了の運びとなりました」
「突然ごめんね」
「なあ、リスナーどもよ。どうせ嘘だろ？　ネタで言ってるんだろ？
　とか思ってるかもしれないけど、本当なんだ」
「まあ、五年もやらしてもらったんでね。
　そろそろ後輩にバトンタッチする頃合かなと」
「カッコつけてんじゃねえよ。
　若手を売り出したい事務所の方針で俺らは切られたんだよ」
「おーい、真実を言うなよ。落ち込むだろ」
「まあ、この五年の間に売れなかった俺ら自身の責任でもあるけどな」
「ラジオの評判は良かったんだけどなー」
「言うてこの番組、童貞の陰キャしか聞いてねえだろ」
「そうだよ！　陰キャ拗らせた童貞のキモオタを相手に
　売れない芸人がイキリ散らすだけの楽しい番組だよ！」
「はい、そういうわけで残りあと四回となりますが、
　最後まで楽しくやり切りましょう」
「では、また来週〜」