【完結】お父さまの彼氏🩵

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その時、慄きと共に猛烈に奥歯が痛み出した。 治療しないといけないのに放っておいた虫歯だ。 こんな時に! しかし、痛くて堪らない! あたしは、頬を押さえてうずくまった。 「えっ? どうしたの? 春菜ちゃん!」 美園さんが、心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。 「まあ! 頬が腫れてるじゃない?! 虫歯のせいね!」 さすが、歯科医、、。 隠しようがない。 でも、歯医者には絶対に行きたくない! 怖い! 怖いったら怖いのだ! あたしは、痛いことが何よりも苦手なのだ。 お父さまも、うずくまっているあたしに言った。 「なんだ? 春菜、虫歯があるのか? 丁度いい。貴志の病院で治療してもらいなさい」 ええええっ! そんな! 逃れられないじゃないか! あたしは、歯医者の怖さと虫歯の痛みに泣きながら、お父さまのベンツで美園さんがしているという歯科医院へ向かった。 しかし、着いた病院の名前を見て、思わず痛みを忘れて笑ってしまった。
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