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プロローグ
人には光と闇がある。それは順風満帆に見える人にも言える。
*
「今日の主役は八神彩子(やがみさいこ)さんでした」
大学のステージでは演劇が行われていた。わたしはいつも主役かヒロイン、もともと内気だけど演じることで自分を出せる。
うぶで男性に疎いわたしだったけど、わりとモテて初めての彼氏ができた。このときは人生の頂点だった。彼の誠也が猛アタックしてきてくれたからこそ、わたしの男性への苦手意識を克服できた。
だけど、誠也の束縛は予想の斜め上だった。
「スカートは禁止。他の男に足を見せたいのか」
「ケータイ見せて」
「さっき話して他の誰?」
そんな束縛に耐えられなくなったわたしは、交際4年で誠也を振った。
失意の誠也は同じ演劇サークルの安藤誠也(あんどうせいや)、三城乙葉(みつしろ おとは)に相談していたのは知っていた。わたしはことを甘く見ていたみたいだ。
その二人は誠也にリベンジポルノを唆した——
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