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その様子を見て、私が使用人をこき使っていると思われている。 我が侯爵家は、父の人望もあり、王家への忠誠心もある。なので、婚約者として我が家は都合が良いのだ。 婚約者候補は私を含めて四人。 幼い頃より候補者は、王家から派遣される教師達によって様々な教育を受けてきた。 両親は王家に嫁ぐのは私の幸せだと思っている。 アーサー様は容姿端麗、王立学園を主席で卒業されていて、剣の腕も立つ人気のある方だ。 だけど、私に対してはかなり威圧的だ。 初めての顔合わせのお茶会で、思わず泣いてしまったほどに。 それから何度も婚約をお断りしているのだけど、両親もアーサー様も私の気持ちなど聞いてくれない…。 婚約者にほぼ内定した状態だ。 『はぁ…どうしよう』 私はため息をつきながら帰宅した。  
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