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寄付と言っても、ちょっとした趣向を凝らしまして、女神像に花束を。うふふ。花束と言っても、普通の花束ではありませんのよ。宝石の花束ですの。うふふ。
素敵じゃありませんこと?ねぇ、アーサーさまもそう思われますでしょ?」
見た目ばかりに拘って、派手なものが大好きで、かなりの浪費家だな。んん?神殿だと? 今神殿と言ったか?
そう言うえば、そろそろビルが着いた頃だろうか。マリーベルは、どうしているだろうか。
「アーサーさま、それで、私のことが噂になりまして、女神像に贈り物をすることが社交界で流行になっておりますの。うふふ。ですが、私が流行らせたことですのよ」
得意気に話し終えると、ジャクリーン嬢はティーカップを手に取り紅茶を口にする。
私も一息つこうと、ティーカップに視線を移した瞬間、
「キャッ」
と、どこかわざとらしい
ジャクリーン嬢の声がしたので、視線を向けた。
どうやら、ドレスに紅茶をこぼしたようだった。
「大丈夫ですか?ジャクリーン嬢」
どんな時も冷静な対応を心がけている私は、
ジャクリーン嬢の側に近づくことなく対応する。
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