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周囲に控えている者達が、即座に駆け寄ってくる。
火傷でもしていたら大変だ。まぁ、そんなことがないことを私は知っているが。
ジャクリーン嬢に、タオルを渡すよう指示をだす。
「まぁ、私としたことが。
うっかり、手が滑ってしまって。
アーサー様、ドレスが濡れてしまいましたわ。
こんな状態では楽しめませんわ。
どこかで着替えたいので、ご一緒に部屋まで案内してくださいませんか?」
「アーサーさま、控え室までご案内されますか?」
側仕えのローガンが問いかける。
「いや、その必要はない」
私はジャクリーン嬢に向かい、別れの挨拶を交わす
「ジャクリーン嬢、確かにこんな状態では楽しめませんね。私としても、こんな出来事があった後に引き留めるのは偲びない。今日はこれで失礼しよう」
ローガンに、ジャクリーン嬢を馬車まで案内するように指示をだす。
「え?そんな! アーサーさま、やっぱり大丈夫ですわ。あのお待ちになって!」
ジャクリーン嬢は、私を引き止めようと近づいてきた。
はあ、仕方ない
「ジャクリーン嬢、流行に敏感なあなたをこのままにしておくのは心が痛い。どうか完璧な装いでまたの機会に。」
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