17アーサー視点✖️レイチェル嬢 ①

3/5
前へ
/103ページ
次へ
ジャクリーン嬢とレイチェル嬢はしばらく睨み合っていた。その様子を見かねて、ローガンが何やら声をかけていた。ジャクリーン嬢は、渋々といった様子で歩き出した。 レイチェル嬢が、こちらへと近づいて来る。 私は今日何杯目か分からない紅茶を、口に含む。 「アーサーさま、本日はお招きいただきありがとうございます。」 レイチェル嬢は、わざと胸元が見えるように礼をする。 はぁ、目線をどこに合わせるか……そうだな、 頭部にしよう。 レイチェル嬢は、意外と額が広いな。 彼女は様々な男性と交流があると聞く。 実際、噂だけではないがな。  とある夜会の時に、控室に連れ込む現場を目撃したこともある。それも1度や2度ではない。 「堅苦しい挨拶は、なしで構わない。」 「ご配慮痛み入ります。 アーサーさま、先程ジャクリーン嬢とお会いになられましたのね? アーサー様も、大変ですわね。私が、癒して差し上げましょうか?」 レイチェル嬢は、テーブル越しに私の手に触れようと身を乗りだしていた。 すかさず気づかないふりをして、立ち上がり距離を取る。 「レイチェル嬢、少し歩きましょうか」 レイチェル嬢は、散歩の誘いに顔を輝かせた。 「はい。アーサーさま」
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加