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ジャクリーン嬢とレイチェル嬢はしばらく睨み合っていた。その様子を見かねて、ローガンが何やら声をかけていた。ジャクリーン嬢は、渋々といった様子で歩き出した。
レイチェル嬢が、こちらへと近づいて来る。
私は今日何杯目か分からない紅茶を、口に含む。
「アーサーさま、本日はお招きいただきありがとうございます。」
レイチェル嬢は、わざと胸元が見えるように礼をする。
はぁ、目線をどこに合わせるか……そうだな、
頭部にしよう。
レイチェル嬢は、意外と額が広いな。
彼女は様々な男性と交流があると聞く。
実際、噂だけではないがな。
とある夜会の時に、控室に連れ込む現場を目撃したこともある。それも1度や2度ではない。
「堅苦しい挨拶は、なしで構わない。」
「ご配慮痛み入ります。
アーサーさま、先程ジャクリーン嬢とお会いになられましたのね? アーサー様も、大変ですわね。私が、癒して差し上げましょうか?」
レイチェル嬢は、テーブル越しに私の手に触れようと身を乗りだしていた。
すかさず気づかないふりをして、立ち上がり距離を取る。
「レイチェル嬢、少し歩きましょうか」
レイチェル嬢は、散歩の誘いに顔を輝かせた。
「はい。アーサーさま」
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