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先程、ジャクリーン嬢が何か言われたかもしれませんが、誤解ですの。
私は、ただ神殿へ感謝の気持ちを込めて、贈ったのですわ。
決して、ジャクリーン嬢の真似事ではありませんわ。」
女神像?
先程も、ジャクリーン嬢が何やら言っていたな。
貴族達から多大な寄付金を集めている、という噂があったが、今度は女神像か。
寄付金を、皆の為に使っているのだろうか。
私服を肥やしてるのではないだろうな。気になるな…
「レイチェル嬢、その贈り物とは何を贈ったのだろうか?」
私が興味を示した様子に喜び、レイチェル嬢は饒舌に話出す。
「アーサー様、お聞き聞くださいませ。ふふふ、実はイヤリングですの。女神像の両耳に相応しい大きさのイヤリングですわ。
こちらは特注ですの。
父の伝で大粒のサファイアを中央にあしらい、周りは最高クラスのダイヤで囲うように作成しましたの。
きっと誰にも真似できませんわ。」
これは、また莫大な金額だろうな。
「確かに(あなたの装いのように)誰にも真似できないでしょう。
あぁ、日差しが眩しいですね。それではお先に」
「アーサーさま?」
私は、レイチェル嬢を残し足早に退散した。
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