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18アーサー視点
なんだかひどく疲れたな。執務室に入ると書類作業に取り掛かる。
黙々と作業していると、ローガンが戻ってきた。
「失礼致します。
アーサー様、ジャクリーン嬢とレイチェル嬢は帰路につかれました。」
「あぁ。ご苦労。そなたも災難だったな。それで? 2人はどんな会話をしていたのだ?」
ローガンから詳細の報告を受ける。
私情を挟まず淡々と語るローガンは、優秀だな。実に分かりやすい。
「なるほどな。期待を裏切らない予想通りの2人だな。意外性があれば、私ももう少し楽しく追い詰めるのだが…面白みもないな。」
「アーサーさま…」
ローガンは相槌に困っていた。
「失礼致します。アーサーさま。ミシェルさまがお見えです。」
侍女が来客を告げた。
「そうか。ミシェル嬢も本日であったか。」
「応接室にお通しいたしますか?」
「いや、ここでいい。執務室に通すように」
「かしこまりました。
ご令嬢を執務室へご案内するなど、なんと申し上げてよいものか…」
ローガンは苦言を呈す。
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