18アーサー視点

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ミシェル嬢は、もの言いたげな目を向ける。 「━━怖がらせるだと?」 「えぇ、偶然王城から帰られる所のマリーベル様をお見かけしたことがありますの。それはもう、ひどく怯えた様子でしたわ。 ふふ。 まさか、好きな方をいじめたくなる……とか、 子供じみた真似をなさってる訳じゃありませんわよね?」 「……」 図星をつかれて言葉に詰まる。 マリーベルが、私を怖がっているだと? 毎回思い当たることばかりで、いつの事かも分からないな。  はぁ、だがあの怯えた様子も可愛い。 ふるふる震える姿は、庇護欲をかきたてる。 この腕の中に閉じ込めていたい。 あの、潤んだ瞳がたまらない。 泣かせてみたい。 ダメだ!  「まぁ、図星のようですわね。 失礼を承知で申し上げますが、アーサーさまは国の未来をどうお考えでしょうか? マリーベルさまは、次期王妃さまには何かと心許ないかと。  アーサーさまのお気持ちは、存じております。ですが、国の繁栄、安泰を思えばこそ、憂いているのです。」 「いくらそなたでも、聞き捨てならない発言だな。 何を言われようと、私の気持ちは変わらない!」 ミシェル嬢は、紅茶で喉を潤すと、私の顔を見据える。
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