18アーサー視点

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「では、次期王妃さまの素質はひとまず置いておいて、友人としてアドバイスを。 マリーベルさまのことをお好きなら、素直にありのままのお気持ちを、お伝えしたらよろしいではないですか。」 「そ、それはっ」 「もしかして、こわいのですか?」 「な、何も、怖がってなどいない! マ、マリーベルは、私の婚約者だ」 「婚約者ですわ」 「それは建前であって、婚約者はマリーベル以外考えられない!」 「まぁ、随分と横暴ですのね。 マリーベル様のお気持ちを考えたことはありまして? 果たしてマリーベルさまは、アーサー様と同じお気持ちでしょうか? まさか、圧力をかけているのではないでしょうね?」 咎めるミシェル嬢に何も言い返せない。 彼女とは、昔からお互い素で話しあえる仲だ。 「マリーベルの気持ちだと?  マーティン侯爵に軽く根回しはしたことは白状するが、圧力をかけた覚えはない」 「ふふ。 あの侯爵様を味方につけていますのね。 マリーベル様に拒否権はないも同然。  恋愛結婚よりも、政略結婚が主流ですものね。」 「━━つもりはない」 「なんとおっしゃいまして?」 「愛のない生活は耐えられない!」 「まぁ、ふふふ。でも、一方的な気持ちは、相手を苦しめることにもなりますのよ。 アーサー様は、マリーベル様を苦しめたいのですか?」  「マリーベルを苦しめるなど、そんなつもりはない! ミシェル、私はどうしたらいい?」 「人の恋愛に介入するものではないのだけど…… マリーベル様のお気持ちを確認しましょう。ご心配いりません。 ふふふ、なんだか面白いから、私がマリーベル様にお尋ねしますわ」 「ミシェル嬢が?」 天使のようなマリーベルが、毒されないだろうか。 「大丈夫ですわ。私にお任せください。 そのかわり、アーサーさまの望む答えでなかった場合も、現実を受け止めてくださいませね? それと、この事はアーサー様への貸し と致しますので、きちんと返してくださいませね?ふふ」 「…分かった。まぁいいだろう。 マリーベル嬢を、くれぐれもそなたの毒で侵すことのないようにな。」 「毒だなんて。アーサー様ほどではないでしょうに。では、失礼しますわ」 ミシェル嬢は悪戯を考える子供のように楽しそうに帰って行った。
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