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「えぇ。マリーベル様はアーサー様の
婚━━」
「ビルさま!」
咄嗟に、ビル様の言葉を遮ってしまった。
ビルさまの口から発言されてしまうと、もう後戻りができない気がした。
まだ辞退できるのではないかと、心のどこかで淡い期待をしているから。
「マリーベル様….そうですね、この話は、まだ時期尚早でしたね。」
ビルはそんなマリーベルの気持ちを察してか、続きの言葉をのみこんだ。
ニコライも、それ以上問いかけてはこなかった。
「失礼します。ビル様」
ノックの後に、騎士達が入室する。
扉の前に置かれていた花は、綺麗に片付けられていた。
「あぁ、戻ってきたようですね。丁度いいタイミングですね。こちらに来てマリーベル様にご挨拶を。」
ビルの指示に従い、騎士達はソファーの近くまで歩んでくる。
横並びに整列する騎士の姿に、マリーベルは動揺する。
挨拶? いえ、いえ、どうかお気になさらず。
ビル様、なぜ呼ぶのですか。
こんな大勢の人に、囲まれると、緊張しますっ。
しかも、見下ろされるよな視線で、悪いことをしていないのに、落ち着きません。
「ご紹介します。マリーベル様の護衛を務めさせていただきますのはら主にこちらの2人です。エドワードとフレッドです。」
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