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「マリーベル様、呼び捨てで構いません。それと彼らは必要最低限の会話しか許されておりませんので、誰もいないものと思って接してください」
ビルは一通り説明すると席を立った。
「それではマリーベル様、私はこれで。
ニコライ殿、少しばかりお話を伺いたいので、入口まで見送りを頼めますか」
「仕方ないですね。マリーベル様、私はビル殿の見送りをしてきます。心配なので必ず扉に鍵をかけて休まれてください。よろしいですね」
「はい。それではお言葉に甘えて少し休ませていただきますわ。ビル様もお気をつけて」
マリーベルは、皆を入口まで見送った。
ビルとニコライの後ろを、騎士達も付き添う。
私は、扉付近に佇むエドワードとフレッドに向き合う。
誰もいない者と思う、なんて難しいわ。
なんだか、気まずいわね。
休む挨拶くらいはしてもいいかしら。
「あの、エドワード、フレッドとお呼びしても?」
2人とも無言で頷く。
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