25ニコライ出生

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ニコライはミシェルを見送った後、マリーベルの側に戻ってくる。 「マリーベル様、本日は、私の妹ミシェルが、刺繍の基礎を教えてくれます。 見た目と中身に多少ズレがありますが、淑女としては完璧だと思いますので、ご心配なさらず。 ミシェルが到着する前にお話すべきでした━━ マリーベル様、少し私の個人的なことを聞いてくださいますか? 少し歩きましょう」 ニコライは真っ直ぐにマリーベルを見つめる。 その瞳には寂しげな影が宿っていた。 「えぇ」 マリーベルは相槌をうつと、ニコライと共に歩き出す。 個人的なこととは何かしら。 私達の後ろからは、 エドワードが付いて来ていた。フレッドかもしれないけれど。 神殿内には複数の庭園がある。ちらほら散歩している方もいる。 私達は、何も言葉を交わすことなく、庭園の一角にあるベンチへと腰をおろした。 そこはちょうど日陰になっており、そよそよとふく風が心地よい。 「━━━マリーベル様、先程の妹の発言で気づかれたと思いますが、私はカーギル家の者です。  正確には、そうだった、と言うべきかもしれません。」 真摯な姿勢で語り始めたニコライに、マリーベルは、言葉を挟むことなく耳を傾ける。 「私は……庶子なのです。」 「っ!」 ニコライ様が、庶子? ということは、つまり━━━? どういうことなのでしょう、恥ずかしながら、言葉の意味を知りません。 お尋ねしてもよいのでしょうか……今は質問を挟むタイミングではないでしょうか……
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