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30アーサー視点
今日はマリーベルが私に会いに来る。
まさかこんな日が訪れるとは。
あぁ早く会いたい…
可愛いマリーベル。
神殿へ向かったと聞いた時は、胸が張り裂けそうだった。
戻ってきてくれて嬉しい。
そんな浮かれた気分でいられたのは束の間だった。
机の上に自分の額を何度も打ちつける。
「どうしてだ……なんで、こうなった……いつから間違えたんだ……小動物のようなマリーベルが……成長して……そこもいい……が、どうしてわかってくれないんだ……今日こそはっ、今日こそはっ」
「失礼致します。アーサー様ミシェルです。ローガンよりこちらにいらっしゃると伺って……ふふふ、酷い有り様ですわね、いったいどうされましたの?」
「あぁ、ミシェルか。どうもこうもない。見ての通りだ。」
私は机に額を打ちつけるのを止めて、
顔を伏せる。
「ふふふ。まさか、失恋でもなさったの?」
「そうだ、ミシェル‼︎ マリーベルに会いに行くと言っていたな?
一体、何を言ったのだ? マリーベルから、ミシェルとお幸せになどと訳の分からないことを言われたではないか!」
「ふふふ。あら、マリーベルさまが? そうなんですの?
私は、ただ、アーサー様の婚約者に相応しいのは私とあなたとどちらかしら? とお尋ねしましたの。」
全く悪びれた様子もなくミシェルは答える。
「はぁ?なんだと!おかげで誤解されたではないか」
「アーサー様。マリーベル様のお気持ちを知りたかったのでしょう?
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