更に南下する為に

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北朝鮮で足止めというか、捕まった感じで、狭い部屋に二十人くらい押し込められた。 狭いけど、ここを抜け出すまでは我慢! ここに来た時点で、薬を全て没収された。 胃薬や風邪薬も没収。 多分、私達が持たされていた青酸カリを使われないようにする為なんだろうけど、どうも日本語がそんなに読めなかったみたいで、面倒で全部没収したようだ。 出される食事は食べれたものじゃない。 とうもろこしの粒は大きいが、馬などに与える飼料並みの固さで、とても人が食べるのに適したものとは思えなかった。 私達は我慢して食べるしかなかった。 特に息子は、私の母乳しか食事がない。 子供は3歳までは母乳でも問題ないらしいけど、まだ息子は1歳だし母乳で栄養摂れるよね? ちょっと母乳の出が悪い気がするけど大丈夫かな…。 ある日、私は私達を管理している人達に呼ばれた。 「あなたのご両親が迎えに来てくれたよ」 ………誰? 私の両親?私の養父母のこと言っているの? ふざけんな! 「私は軍人の娘です!父は軍人として日本にいて、ここには来ません!母も同様です!私は日本人です!この人達は両親ではありません!」 こんなので、私を騙せると? それとも子供がいるから懐柔できると思った? 日本人を馬鹿にするな! こんなのを選ぶなら、私は息子と死ぬ。
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