私はここではお嬢さん?

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昭和19年に私は19歳で結婚した。 相手は私より7歳上のサラリーマンで、とても優しくて穏やかな人だった。 結婚相手は父というか養父の紹介で、お見合い結婚だったが、父親が決めるのが普通なので、特に反対もしないし、そもそも父は軍人で大尉という身分だったので、おかしな人は選ばないだろうと分かっていた。 19歳で結婚したのは、私は女学校に通い、卒業後は父の仕事の関係もあって、師団司令部で働いていたから。 周りは年上の女性ばかりだったが、私は着物と袴で出勤して、いつも楽しく仕事をしていた。 仕事をしていると、家にいる幼い弟妹(本当は従弟や従妹なんだけど)達の子守りをしなくてよかったから。 女学校の時は子守りがあるから、二年生から部活動はできなくなったし。 私の家は姉弟は多かったと思う。 私が一番上で、弟が四人、妹が二人と私が結婚するくらいの時は、七人姉弟だった。 それでも父は一馬力で家族を養い、母は専業主婦で、家事育児に追われる毎日。 週に一度だけお手伝いのお婆さんが来てくれるけど、それでも手が足りなかったと思う。 父は姉弟全員を女子は女学校、男子(妹一人)は高校まで行かせてくれた。 当時は学校は小学校卒業すればいいという地域もあったほどなのに、勉強させてもらえて感謝している。
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