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そして私の結婚となったが、これは親も「早く嫁にやらないと後が結婚できないし体裁が悪い」と思ったのかもしれない。
私のすぐ下の妹は6歳下だったが、姉弟の中では一番の美人で、足が速いと運動も勉強もできた。
ちょっとワガママだけど、大人になれば言わなくなると思っていたので、私はそこまで干渉はしなかった。
つまりこの妹が結婚する時に苦労するからとちょっとは思っていたんじゃないかと思う。
「美千恵さん、僕は満州に転勤が決まりました。一緒に行ってもらえませんか?」
「はい、分かりました」
親の言葉に従う。
今は夫の言葉に従う…でも親のような威圧的な言葉でもない。
それに夫と離れて舅や姑と暮らすなんて絶対嫌!
特に舅とは折り合いが悪いから、遠く離れたいし!
何故か舅とは折り合いが悪かった。
私が学力が高いという女学校を卒業して、師団司令部で働いていたというのが、生意気な小娘と映ったのかもしれないが、私の経歴を今更変える必要も何もないので、ある程度は流していた。
そんな時に転勤なので、新婚でもあったので、躊躇いなく満州へ。
新しい生活に不安はあるけど、何とかなると思って、期待に胸が膨らんだ方が大きかった。
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