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Epilogue
気づけば与一は政子の傍らに座り込んでいた。
慌てて政子の首筋に手を置けば、これまでのような不可解な様子ではなく、しっかりと拍動し、薄っすらと瞳が開く。
「よくなったのですね」
「本当に馬鹿なことをするものだ。人の寿命は人がなんとかできるものではないんだよ」
与一は政子の髪をなでた。少しずつの中には自らの寿命も含まれていた。その残りがさほど長くないとしても、政子のことを知る余裕くらいはあるだろうと思い、不思議そうに自身を見つめる政子に微笑みかけた。
違う話で書いた端喰さん。
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