私を忘れないで

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私は軽く手を振ってジャンの姿が見えなくなるまで見送った。 そう、あなたは毎年私の誕生日を祝ってくれた。毎年お花を贈ってくれたわね。 ねぇ、知ってる? 私、あなたにお花を贈られるのが嬉しくて、毎年楽しみにしていたのよ。 あなたに貰ったお花はとても綺麗で、飾ると部屋が明るく感じたわ。 けれど、お花は枯れてしまうから…哀しくて。  だから、大好きなお花に囲まれたくて、このお仕事に就いたのよ。 沢山の綺麗な花に毎日囲まれているけど、 なぜかしら? あなたに貰ったお花ほど、どれも綺麗には思えないの。 どうしてかしらね? 枯れないお花があればいいのに
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