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着信音がモニターから聞こえた。通知には日向の名前と用件ーー『絶対来いよ』。
さっきも俊希から『必ず来いよ』とDMで念を押されていた僕は、今日の取引が終わる前にモニターを消して椅子から腰を上げ、何を着るか思案を始めた。
初告白で見事に砕け散ったことも含め、まだいい出会いがないと飲み会でこぼしたせいで、ゼミの陽気な仲間たちが合コンを企画してきたのだ。
無難なライトグレーのカーディガンに白Tシャツ、ブルーグレーのワイドパンツを選んで着、鏡の前に立つ。
悪くないと思う。
今夜の合コン相手がどこのどういう相手かわからないまま参加したものの、個室に現れた女の子五人の中にあの子がいた。大学生になりたての頃、歯に衣着せぬ物言いで僕を振った子だ。
その子は、上目遣いで僕を見つめ、微笑んだ。
気づかないと思っているのだろうか。
あんなことをした君が、今は僕を毎日つけ回していることを。
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