えぴそーど いち

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 処置室に運ばれた青年は、腹部の痛みに加えて、アレルギー反応による意識障害、呼吸苦、嘔気、嘔吐の症状も出てきた。 「すぐにレントゲンを撮って!あと、CTも!」  処置室は急に慌ただしくなった。  ストレッチャーに乗せられた若者に、名前を確認しようと声を掛けるも、「やめろ!来るな!助けて!来るな!」と意味不明の言葉を発していた。  青年は言葉を発しなくなった。  心電図やその他の器具が一斉にコールを鳴らす。 「心停止!」 「心室細動です」  処置室内に緊張が走る。 「DC150でセット!」  電気が溜まっていく音が響く。 「出来ました!」  アイロンのような形の電極を2つ、スタッフが都筑(つづき)に渡す。 「離れて!」  患者の青年の胸部に電極を押し当てる。  ズドン!  何かが青年の体の中を走った。  しかし、彼の心臓は動かなかった。
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