えぴそーど いち

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えぴそーど いち

 赤色灯を闇の中光らせ、けたたましいサイレンを慣らし救急病院の敷地内に救急車が飛び込んできた。  数年前に流行した感染症の影響で、受け入れ先の病院は患者の容態次第では受け入れ拒否が相変わらず続いている。  救急の一報を受けた救急隊員が駆け付けると、5階建てのマンションの4階に家族と一緒に住んでいる大学生が、原因不明の腹痛の訴えがあり苦しんでいた。  意識はあるものの、腹部は膨れ、触れると何か形のある物の感触があり、患者はかなり痛がった。  部屋から救急に運び、必要な器具を装着し、幾つかの受け入れ病院を探したところ、都内の救急を扱っている堀川病院が受け入れ先として決まった。  患者の自宅からそれ程遠くない病院である。
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