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「後の手はーー家永から顧問に頼みこむ? 実際留年にはまだなってないし、話せば行けるかも?」
「秋元凖教授がボサツみたいな性格してたら、こんなに写真部は減ってないって」
私達写真部が現在4人しか居ないのには3つ理由がある。1つ、緩くてチャラい写真サークルが同大学内にあり、SNS映えのするキラキラした写真を撮りたい現代の若者はそちらに所属すること。1つ、写真サークルに現役モデルの男女が籍を置いており、元写真部の人々も写真サークルに移籍したこと。1つ、秋元凖教授は早く教授になりたいため、渋々顧問をやっているこの写真部でも目を光らせており、ネチネチしていること。
去年先輩が1人卒業したが、今年は鯉口が入部したため4人のままである。
「去年4人しか居なくなってからは逆に廃部になったから困るからって、私達の成績聞いてるらしいよ」
「うーーん、ありがた迷惑だなぁ」
つまり、秋元凖教授が野間の留年マジックを知るのは避けられない。これはいよいよ夏の大会に出られない可能性が高い。
涙が出て来た。
(また、会う約束をしたのに)
私は彼女の柔らかい微笑みを思い出す。
もう、会えないかもしれない。
ボサツが細い目を更に細くしてオロオロしていると、ガチャリとドアが開いて奴が現れた。
「まだ野間に入れ込んでいるのか」
「鯉口!」
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