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私達はそれぞれの一眼レフを持って幼稚園に向かった。ボサツの先輩が勤めているという縁で、今日はここで一日園児たちの日常の写真を撮影するのだ。先生方に挨拶をして、私達は各々のタイミングでカメラを構える。
「うちの工学部の技能ボラは、単位の足りない奴向けに組まれた特別救済策なんだ。自分にある技術で、どこかの組織に貢献して、書類を貰えば専門の2単位になる」
「詳しいわね」
「俺も単位は欲しいから」
しっかり者の鯉口が単位が足りないようには見えない。けれど、3ヶ月前に部にやって来た鯉口と私はそこまで聞けるような関係ではないのだ。
「おーーい! 家永! 良い写真撮れたから見て!」
野間が駆け寄って来た。一眼のプレビュー画面を見せてもらうと、笑顔の園児たちの写真が並ぶ。
「凄い。野間、写真はプロだわ」
「はってのが余計!」
野間は私の肩をバシッと叩くとまた園児達の元に駆けていった。
これなら、無事に野間の単位は足りて大会にもいけるだろう。
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