作戦そのニ 〜カード代理〜

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 私を助けてくれた友人以下の相手は、不機嫌そうに私の隣に座って野間の学生証を返してくれた。私も奴の学生証を返す。サッとメモ帳に文字を書いて、見せてくれた。 『野間の学生証、ICチップが壊れてる。TAに報告して出席扱いにして貰った』  私もノートに返事を書く。 『ありがとう。ーー鯉口』  まさか鯉口が協力してくれるとは思わなかった。いつも無口で、嫌われている気がしていたし、私も実際苦手だと思っていたからだ。 (なんか、トゲトゲしいんだよね)  周囲の男子がチラチラと私を見ている気がする。  鯉口は私にキャップを被せた。私の長い黒髪が目立たなくなる。 『女子は目立つ。被ってろ』  それからの鯉口は真剣で、教授の言葉を一言も逃さないようにとノートを取っていた。
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