終わらない夏休み

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 お腹に柔らかい何かが乗っかる衝撃で、僕は目が覚めた。瞼をこすりながらお腹に乗っている何かを見る。 「おはよー!」  お腹に乗ったそれ、たっくんは、セミの声にも負けない声で僕に挨拶をする。僕は大きくあくびをしながら、「おはよ」と短く返す。 「今日は何する!?」  無邪気に笑うたっくんに笑い返しながら、僕はベッドから体を起こした。  カレンダーを見る。×印は、夏休みが始まったところまでだった。  僕は溜息をついた。  今日は、どれだけ長い一日になるだろうか。  宿題が、片付くといいけれど。
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