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ノリさんと別れて、私は浜辺に行った。
亀が待ってくれていた。
涙を流していたから、(産卵の時じゃなくても、亀って泣くんだ)と、私は不思議な気持ちになった。
私のために泣いてくれてるのが、嬉しかった。
竜宮城で暮らすことになって、ずっと乙若さんと一緒にいたら、乙若さんのことを好きになった。
乙若さんは優しかった。
昔、私は求婚を断ったにもかかわらず、乙若さんはもう1回プロポーズをしてくれた。
私は乙若さんと夫婦になった。
今度は自分の希望を通すばっかりなんてことはしなかったし、相手の顔色を伺ってばかりなんてこともしなかった。
ちゃんと自分のことも、乙若さんのことも、両方を大事にできた。
こうなってみると、ノリさんとのことはつらかったけど、無駄じゃなかったなと思える。
私は末長く、幸せに暮らしました。
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