亀の恩返し

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鯛やヒラメの舞い踊りを見た。 噂には聞いてたけど、本物を見れてテンション上がった。 ご馳走も振る舞ってもらった。 刺身だったら食べにくいなって、ちょっと心配してたけど、甘辛いチキンで安心した。 どうやって鶏を調達してるのかは、聞いちゃいけない気がしたから、聞けず。 乙姫さまが出てくるのかなって予想してたら、出てきたのは男の人だった。 名前は乙若さんだった。 やっぱ「乙」は付くんだ。 乙若さんはイケメンだった。 超が付くイケメン。 マジやばい。 乙若さんは目の保養になったけど、求婚されて、私が好きなのはノリさんだって思い出した。 ノリさんのこと思い出したら、急に帰りたくなった。 正直にノリさんのことを話して、地上に戻ることになった。 「帰さない」とか言われたら困るなって思ったけど、そういうのは大丈夫だった。 お土産に玉手箱をくれようとしたから、断った。 浦島太郎の話を知ってて良かった。 小さい頃に絵本を読み聞かせしてくれたママに感謝。 玉手箱の代わりにって鯛がくれたのは、カプセルが1錠だけ入った薬ビンだった。 「ノリさんとの幸せをお祈りしています」 って言われた。 鯛の説明によると、両想いになれる薬らしい。 好きな人の目を見つめながらこのカプセルを飲むと、その人と必ず付き合える。 ノリさんにこのカプセルを飲ませるのは、ちょっとハードル高いなと思った。 だけど私が飲むんだったら、何とかやれそう。 ノリさんと一緒にバイトに入れるのは、あと一回だけ。 なんとしても、成功させなければ!
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