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ごぽごぽ、と。紺碧の世界に身体はふわりと浮いて、サイダーみたいな泡の中をずんと重く沈んでいく。眼前で掻いた手は確かな抵抗を伴って、ただ重くのしかかる世界を顔におさめようとするだけで終わる。まとわりつく重さが私を包んで侵蝕する。
ゆらりゆらりと揺蕩う世界は
水族館の大水槽で見た世界で
薄れる意識
うつり移ろう波の底
そんな世界であなたを見つけた
彼に手を伸ばす。屈折した光が揺らぐ。あの目映い世界に浮上したい、という私の意思とは裏腹に身体はどんどん重くなる。私と彼の位置が入れ替わる。立ち上る泡の中に私が映る、あなたが映る。無数の手が私を仄暗い底へと引きずり込んで、あなたが離れていく。
張り裂けるような心臓の痛みを伴って私は深く深く沈んでいく。
さよなら、太一
さよなら、わたし
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