ep3_三毛猫の恋事情。

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───あぁだめだ。やっぱ好きだ。 千里から借りたカーディガンを着込めば、それはもう暖かい。 それと同時に、いつも千里といると無意識に生じる鼓動の高鳴りに、思わず唇を噛み締める。 「...ミケ、どした?なに突っ立ってんの。寒いから早く来いって」 「...うん」 「今日うちすき焼きなんだよね〜。羨ましいだろ」 「別に」 「素直に羨ましいって言えよ、ほんとミケは素直じゃないんだから」 そう、俺は素直じゃない。 この気持ちにも、千里にも。 だけど心の奥ではずっと、その存在を想っている。 「...俺は今日カップ麺」 「え、まじで言ってる?今日おばさん夜勤か」 「うん、そう」 「だったら夜ミケんち行くわ。窓開けといて」 「...泊まってく?」 「うんまあ。こう見えてミケ寂しがり屋だし」 とことん飼い猫に甘い千里は今日も三毛門の欲しい言葉をくれて、その様子に思わず頬が緩む。 そうと決まれば早く帰ろうと千里は先を行くので、ミケはゆっくりとその隣に並んだ。
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