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「じゃあそろそろ休憩しよっか。昼食べる?」
「おー、そうしよ。今日どうする?いつもみたいにピザでも取っちゃう?」
「そうだね、考えるのも面倒だしそうしよっかな」
「よっしゃー。俺いつもの。ジェノベーゼまじ美味いよな」
「はは、わかったって。鷹野くんも好きなのあれば遠慮なく言ってね、どうせハーフアンドハーフで頼むからさ」
池井の一声で部屋の空気はガラリと変わり、一気に休憩モードだ。
千里は池井が傾けたスマホを覗き込み、いろいろな種類のあるピザを上から順に見ていく。
「こんなあると迷うな...。...あ、これ。ミケ好きなやつだからこれにしたい」
「シーフードか、いいね。じゃあこれ選んじゃうね」
「うん、ありがと」
机を挟んで目の前で行われたやりとりに、三毛門はぴくりと眉が跳ねる。
そのまま千里へと視線を向ければ、「ミケの好きなお魚さんだよ」と冗談混じりに言われて、内心喜んでしまった。
「...魚っていうかイカとか海老だよね」
「でも好きっしょ?」
「...うん」
冷静にツッコミを入れれば千里はにこりと笑って、池井の隣から腰を上げる。
それからすぐに三毛門の元へとやってきて腰を下ろした。
「どうしたの」
「いや、なんか気抜けなくて疲れちゃって。ミケに癒してもらおうかなと」
「...俺そんな都合よくない」
「またまたそんなこと言って。いいじゃん俺のこと癒してよ」
千里からの言葉に思わず擦り寄りたくなるが、いつものように淡々と返答して、そんなつれない様子の三毛門に千里は「ほんと可愛い」とにやけた顔で感想を呟いた。
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