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④「ミカヅキ」
賀茂が出勤すると、班長が金髪のスーツ姿の女性と話していた。
「まさかあの厳重に守られていた三種の神器が全て行方不明とは…。」
「イザナミでの”陰陽寮”の者たちは不眠不休で対応している。」
「あの…、お話中すみません。班長、この方は?」
長谷川が気付き、「ミカヅキ様、この者が以前話していた賀茂です。」
「初めまして。私は”太政官”中務省の”陰陽寮”担当のミカヅキです。」
”陰陽寮”は政府直属(二官八省)の管轄の中にある。
”ミカヅキ”と名乗る女性は、短めの金髪の30代後半くらいの年齢で、緊張感のある上官らしい顔立ちをしていた。
「キミにも後に関わってくるので説明しておく。
東のイザナミの地で、厳重な結界で防護していた”三種の神器”が行方不明になった。防犯カメラには全く持ち去った者の姿は映っていない。」
「え…?あの”三種の神器”が盗まれてしまったのですか?」
「あれは素人に扱えるものではないが、万が一でも被災の際に消えた”大怨霊”の元に渡ってしまえば、国の存亡に関わる由々しき事態となってしまう。」
「今ここにいる式神使いの3人と、”陰陽寮”から私を含めた2人がイザナミの地へ向かって、現地部隊と共に消えた”三種の神器”の捜索を行う。
イザナギ側は”陰陽寮”からの支援部隊を手配している。」
「佐久間と長澤には既に伝えている。賀茂も準備が出来次第イザナミの地へ向かってくれ。」
公安の陰陽師班の3人と、”陰陽寮”からは”ミカヅキ”と”ヤシャ”の2人がセキショを越えてイザナミの地へ向かった。
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