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名器と言われる絵皿(1分で読める小説)
それから数日過ぎたある日、久々に絵皿を見た。
最近は絵皿を拭くことも無く、絵に関心が薄れていたのだ。
…絵が変化してる。この前は人間とカッパの区別は判りにくかったが、
今ではカッパに見える。
どう見てもカッパだ!
不思議だ。でもこのカッパ可愛いな。
まあいいか、可愛いカッパだし、このままでも…
と、僕はそれほど気に掛けずに暮らしていた。
だが、また数日経ったある日、絵皿の絵が変わっていた。
それは、僕には衝撃的な事であった。
カッパの絵が、可愛いさを無くし凶暴な表情となっているのだ!
色が褪せてきたのか、剥がれたのか、
解らないが気持ち悪い表情が
僕の目に入ってくる。
今でも絵皿から飛び出して来そうな姿。
襲い掛かってくる様に僕には見えた。
あの可憐で清楚な少女の面影は消え、薄汚く凶暴に変化した絵に
僕は恐れを感じた。
だが、捨てたり壊したりすると祟りがありそうで怖い。
でも私はこの絵の姿に哀れみも感じた。
あの可憐な少女が何故この様な姿になってしまったのか?
可哀想に、何が原因だったのだろうか?
複雑な想いのまま、私は悩んだ挙句一つの結論を出した。
…ユニシロにこの絵皿を持っていこう。
返品しよう。お金はいらないから、返しに行こう…
と、僕はユニシロに向かって行った。
次に続く
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