悪役令嬢に転生したけど自由に生きてみます

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「ニーナに毒を飲ませたのが自分じゃないと言うならこれ、飲める?」 そう言われて取り出されたのは茶色の小瓶で、俺はすぐそれが何か理解した。 「飲んだら無実と認めてくれるのか?」 「さぁ?それは飲んでくれてから考えるよ」 手を伸ばせば茶色の小瓶が手渡され、俺は栓を開けて飲み干した。身体中の血が沸騰するように熱く、口を塞いだが隙間から血が飛び散ってしまう。世界がグニャリと歪み俺はその場に倒れてしまう。 「可愛いニーナを苦しめた罪は死より重い。その薬では死にはしない。ゆっくりゆっくり内臓が溶ける感覚がして痛みに一生苦しむ」 そのままぼんやり見つめていれば扉を開け、目の前でレオンハルトはしゃがんできた。そのまま髪を掴んで顔を上げさせられる。 「ニーナは俺達が護る。何をしても無駄だ」 レオンハルトは手を離して立ち上がり、歩き去ってしまう。苦しい…身体中溶けてゆくように痛いっ!また血を吐き床に爪を立てる。 俺じゃない…俺じゃ…そこでハッとした。路地裏でのあの男の不敵な笑みを。あいつが間違いなくニーナの食事へ毒を盛ったに決まってる…でも証拠も何も無い… 俺はあまりの痛みにネックレスのサファイアを握りながら気を失ってしまった。
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