悪役令嬢に転生したけど自由に生きてみます

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目を覚ませばもう夜で見た事の無い天井が広がっていて、起き上がれば誰かの部屋のようだった。書斎にあるような机や椅子があり、本棚にもぎっしり本が詰まっていてシックな落ち着いた雰囲気の部屋だった。 ふと視線を下ろせば裸で、布団で体を隠しながら辺りを見ていればふと痛みが無い事に気がついたら。布団で体を隠したまま机へ向かえば本が開いていて、文字は読めなかったが何かの葉や調合方法みたいな絵が書いてあるのはわかる。 そして椅子には黒色の上着がかけられていて、俺は恐る恐るそれを手に取り匂いを嗅げばアレスの香りがする。ベッドサイドへと視線を移せば小さな机があり、黄緑色の液体が入った水差しとグラスがありグラスは使われた形跡がある。 扉が開く音がしてそちらを見れば、アレスが居てこちらを見て驚いているようだった。俺は慌てて持っていたアレスの上着を椅子へ戻せば足早に歩み寄られて布団を剥がされ抱きしめられた。 「良かった…良かった…」 「あ…れす…?」 力強く抱きしめられ、俺は背中に手を回してゆく。そのまましばらくお互い無言で抱きしめあっていたが、そのままゆっくり離れてお互い見つめ合った。 そして俺はアレスの頬に触れて背伸びをして、アレスは俺の腰と頭の後ろに手を回しゆっくり唇が重ねられてゆく。
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