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控えめに三回ノックが鳴ったので扉へ向かい、開けてやればそこにはメイドが居て目が合えばビクッと怯えていた。
茶髪をしっかり纏めていて黒色の瞳で、ソバカスのあるクラシックなメイド服を着ている女性。ワゴンを引いてきたのかその上にはグラスと水差しが置いてあり、俺がそれを見れば二歩下がり頭を深々と下げている。
この女の人も見た事ある気がして仕方ないんだが…あと少しで思い出せそうなんだが…
「エリザベス様…お、おはようございます」
「あんた名前は?」
「わ、私はハンナと申します…」
尋ねれば俯いたまま震えた声で答えてきて、俺はようやく理解した。職場の同僚がどハマりしていたファンタジー物の漫画で、主人公の少女を二人の騎士が奪い合い俺ことエリザベスはその主人公に嫌がらせをしていて最期は…
そこまで考えてから俺は考える事をやめた。最期は首をはねられて処刑されるなんて絶対にゴメンだ。
とりあえず今は漫画のどの辺なのだろうか?まさか処刑前日という訳では無いだろう…とりあえず漫画読ませてもらったからある程度の知識はあるし、同じ道を辿らなければ大丈夫だろう。
とりあえず着替えてこの屋敷から離れれば物語は変わるしこの人も怯えて過ごす事も無くなるんじゃないか??
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