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翌日から俺達は領主とその妻として雪降る街で暮らし始めた。経済の事や物流の事などわからないから隣の椅子に座りながらわかった顔して聞いてるのが精一杯だった。
忙しい毎日だが城に居た頃より楽しい。食事も家政婦なんか居ないし雇うのもなんだったから、料理なんて始めてみた。
いつものように食事の準備をしていたある日、吐き気を感じてしまい食事の準備もそこそこに寝室のベッドで横になりながら腕で顔を覆いながらゆっくり息を吐いてゆく。
「大丈夫か!?どうした…!」
「いや…大丈夫…ちょっと気持ち悪くて…」
「医者を呼んでくる…!」
「大袈裟だよ大丈夫」
「大丈夫なわけ無いだろう!?リサを連れてきたのは俺だ…何かあったら…」
「わかった…わかったからそんな顔するなよ…」
飛び込んできたアレスを見て起き上がれば飛び出しそうな勢いだったので腕を掴んだが不安そうな顔をされたので腕を離してやる。新しい環境過ぎて身体がついていかなかっただけに決まってる。そう思いながらまたベッドで横になり、また片腕で顔を覆いながらもう片手は腹を無意識に撫でていた。
しばらくして年老いた背の低めの愛嬌のある男の医者が連れてこられ、俺は起き上がり色々調べられていたが医者はアレスに色々聞いていて納得したように頷いていた。
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