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「妊娠しとりますな」
「「妊娠…?」」
俺達は顔を見合せた。よくよく考えなくても生で何回やってきたと思ってるんだ…?俺の今の体は女なんだからやれば出来るなんて当たり前だったじゃねーか。
「俺の子…そうか…俺の子が居るのか」
嬉しそうに抱きしめられ、俺は背中に手を回してゆく。俺が母親…?いやエリザベスが母親…だと??エリザベスは誰にも愛されず処刑される運命だったのに…嫌。俺のせいか…大丈夫なんだろうかこのままで…
「産んでくれ…」
「あ、あぁ…」
俺は返事をしたが、本当にこの子を産んでやれるのか?原作に無い事故で死んだりしないか…?いや考えるのは止めよう。考えたって仕方ない。
アレスは医者を送り届けてから、また俺を抱きしめてくれる。まぁアレスの為に産んでやるのも良いかな…俺が居なくなっても俺が居た証は残してやれるし。
そのまま月日は経ち俺の腹もすっかり母親らしくぽっこり膨らんでいて、胎動も感じられるようになっていてアレスは暇さえあれば会いに来た。
毎日幸福感に包まれながら暮らしていたが、いつものようにベッドで腹を撫でていれば扉が開きそちらを見ればレオンハルトが腰の剣に手をかけながら立っていて入ってきて扉を閉めて鍵をかけた。
「御苦労な事だな…ニーナにでも頼まれて様子を見に来たのか?」
「いや。独断でお前を殺しに来た」
ゆっくり剣を抜き向けられる。逃げたって追いつかれるだろうし、こうなっては俺は何も出来ないのは俺が一番わかる…
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