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ノックの音で目が覚め、寝ぼけ眼で扉を開ければ風呂に入ってきたのか石鹸の良い香りを漂わせているアレスが居た。着替えてきているようで血も付いていないし、腰から剣もさげていない。
「え?どうし…」
「ただいま」
声をかければ目を細められ、俺は無意識に踏み出していてアレスの胸に寄り添ってしまいアレスはそんな俺をゆっくり抱きしめてきた。
「お、俺は男だって…」
「俺だって理解しているつもりだ」
俺の言葉に俺を抱きしめる力が更に込められる。俺は胸に置いていた手を背中へ回し、ゆっくり目を閉じる。
「あんた帰ってきた時俺の隣黙って通り過ぎたじゃん…」
「ニーナが見ていた」
ニーナが見てたから俺と話も出来ないのか…?いや、まぁ好きな女に誤解されたくは無いだろうな。そのまま抱き合っていればアレスの心音が伝わってくる気がしてきた。
俺の心音もアレスに伝わってるのかな…なんだろ男同士なのにドキドキしてきてる俺が居る。ゆっくり息を吐いて気になっていた事を口にしてみる事にした。
「怪我は大丈夫なのか?」
「かすり傷も無い」
「ははっ、流石騎士様」
俺が笑えば顎を掴まれ目を合わせられる。これは…もしかして…?俺はゆっくり目を閉じて背伸びをしてゆく。
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