7人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、算数もできねえの?」
「え?」
「昨日、使った分、なんで入ってないの」
「え? だって、昨日は二人でご飯食べに行ったぶんだけだよ、使ったの」
男は、舌打ちした。
「食費は、全部お前持ちって言ったじゃん。オレは、自腹で経費まかなってるから、家賃しか払わねえって言ったじゃんよ」
「でも、外に食べに行こうって言ったのは……ぐっ!」
男の拳が、ルナの腹に入っていた。
「あちゃー?!」
死神は驚いてみせたが、口角が愉快そうに持ち上がっていた。
本当に彼も根が腐っている。
よろめきながら彼女はぼろぼろと泣き出した。
「……ごめんなさい。ほんと、ごめんなさい……」
最初のコメントを投稿しよう!