alone

14/15
前へ
/15ページ
次へ
 それで終わりだった。  彼の汚れた人生も、僕の恨みも憎しみも。  そして、彼女の純粋で歪んだ夢も。  僕は、身体を借りていた中年男をその場から逃がすために、するりと飛び出した。  その向こうの路上で、死に神が男の口から、くすんだ光を放つ玉状のものを引きずりだすと、壺のようなものに、手際よく押し込み封をした。  振り返ると、ルナはいなくなっていた。  何度も見返したが、辺りには、もういなさそうだった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加