alone

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 それを世間では「良い子」というが、そういう輩を生き長らえさせているという意味では、どうかと思う。  ルナは、かつて新卒で上京し就職した中堅商社のOLだった。  わりあい手堅い人生のレールに乗っていたけれど、些細な不快な出来事で気持ちが腐っていたときに、ちょっとした寄り道した先で、たまたま彼が待ち構えていた。  まるでアリジゴクのように。  そして、たまたま彼がホストと呼ばれる職業に就いていた。  ただ、それだけのことだったのかもしれない。  それに、街そのものが金のない人間には冷たくできている。  それに慣らされてしまったのかな。  金を出しさえすれば断然大事にされることを知ると、自分の価値をそれで測るようになってしまう。
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