3.埋められる外堀

3/4
前へ
/15ページ
次へ
………… 「いいねぇ…生足!」 帰りの車。 助手席に座ると、必然的に足が…。 両手を置いて隠すも、信号待ちのたびにガン見されて…ただ赤くなる。 なんとなく、嫌な予感がしながらマンションに戻ると… 「…ちょっ…と!」 いきなり正面から手首を掴まれて見下された。 その威圧感に押されて、思わず後ずさると…響は私を壁に追い込んできた。 そのまま見つめ合う私たち。 なんか…目をそらしたら負けみたいで、ぐっと睨むよう見返す。 だんだん…その目の色が蕩けるような甘さを宿し始めたことに気づいた。 あ…っと思ったときには、頬に口づけられて… 「…や…な、なに?」 「可愛い」 片手に自由が与えられた代わりに、顎を掬われ、キスされたことに気づく。 響の手が私の生足に触れたことにも… 「…今すぐ抱きたい…」 蕩けた甘さを宿した瞳の奥に、獰猛な獣のような、危ない光が見える。 「…な…なに言って…」 生足を這う手はどんどん熱くなって、際どいところに近づいてきた。 「…我慢できるわけがない…」 言うより早く、響は私を抱き上げ、あの黒い部屋の大きなベッドに落とす。 「…ちょ…っと待って…まだ再会したばかりで…」 「なんの問題もない。俺はお前のことが死ぬほど好きだ。将来も約束できる…」 仰向けに寝かされて響を見ると、着ていたシャツを剥ぎ取るように脱いで…私に覆いかぶさってきた。 響の体は…自分とはまったくちがう硬そうな筋肉で覆われていて、その大きさに圧倒された。 両手首をベッドに縫い付けて、上からのしかかるように抱きしめられ… 「琴音…俺のものに、なれ」 衝動を隠すように、キスは優しい… 嫌じゃない…私だって、響を特別に思ってた…けど…いきなりすぎてついていけないってば…。 響の手が、私の白いシャツを捲り、響が選んだピンクのレースのブラに包まれた胸がさらされた。 その胸に響の手が這い回る もう隠しきれない衝動が支配しているのか…響の息が…荒い。 もう…可愛がってくれたお兄ちゃんじゃない。ここにいるのは私を求める1人の男… 「…琴音…?」 ふと…荒々しかった手が止まる。 私は自分でも気付かないうちに、泣きだしていたらしい。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

790人が本棚に入れています
本棚に追加