4.親友の真莉ちゃん

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言いながら、見惚れたことがバレててちょっと恥ずかしい… 「…なんで赤くなってる?その、栗生川って奴のことか?」 「…ちがっ…!」 もう…こういう時、パッと逃げられる部屋がないって不便…! 個室はベッドルームと響の書斎だけ。 後はバカでかいLDKだから…着替えとか、何かあると逃げる先は決って洗面脱衣室。 なんかツラ…。 なんて考えてたら、響が意外なことを言った。 「…栗生川玲は、お前が引っ越したあと、近所に引っ越してきた、幼なじみだ」 「…えぇ?そうなの?」 「まぁ5歳も年下だから、接点はほとんどなかったけどな。俺が卒業した小学校行ってて、中高も俺の後輩だ」 「…ということは、もしかして玲も、御曹司?」 「…俺ほどじゃないけどな」 えぇ…そうなの? でも…バイトしてるなんて…結構意外…。 「昔から可愛い顔してて、見た目はあんまり変わってないし、特徴的な泣きぼくろと名字でわかった」 誰かわかっても、まだ何か考えてる響。 ギロっと視線を向けてきた。 「あのカフェのバイトはやっぱりダメだ。明日俺から連絡しておく」 そう言ってソファから立ち上がり、バスルームへ行ってしまった。 …響の様子から、何かありそうで…「イヤだ」と言う気にはなれなかった。 バイト仲間たちには申し訳ないけど、ここは響の言う通りにしようと思う。
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