6643人が本棚に入れています
本棚に追加
言いながら、見惚れたことがバレててちょっと恥ずかしい…
「…なんで赤くなってる?その、栗生川って奴のことか?」
「…ちがっ…!」
もう…こういう時、パッと逃げられる部屋がないって不便…!
個室はベッドルームと響の書斎だけ。
後はバカでかいLDKだから…着替えとか、何かあると逃げる先は決って洗面脱衣室。
なんかツラ…。
なんて考えてたら、響が意外なことを言った。
「…栗生川玲は、お前が引っ越したあと、近所に引っ越してきた、幼なじみだ」
「…えぇ?そうなの?」
「まぁ5歳も年下だから、接点はほとんどなかったけどな。俺が卒業した小学校行ってて、中高も俺の後輩だ」
「…ということは、もしかして玲も、御曹司?」
「…俺ほどじゃないけどな」
えぇ…そうなの?
でも…バイトしてるなんて…結構意外…。
「昔から可愛い顔してて、見た目はあんまり変わってないし、特徴的な泣きぼくろと名字でわかった」
誰かわかっても、まだ何か考えてる響。
ギロっと視線を向けてきた。
「あのカフェのバイトはやっぱりダメだ。明日俺から連絡しておく」
そう言ってソファから立ち上がり、バスルームへ行ってしまった。
…響の様子から、何かありそうで…「イヤだ」と言う気にはなれなかった。
バイト仲間たちには申し訳ないけど、ここは響の言う通りにしようと思う。
最初のコメントを投稿しよう!